「Web Adaptation Technology」 (以下「WAT」)は、Web活用にあたり発生するデジタルデバイドを改善するため、IBMが開発したソフトウェアです。
IBMは、WATを用いて、対象となる高齢者・障害者の方にこのソフトウェアを無償で使用許諾し、社会貢献プログラム(Web Adaptation Technology プログラム)として世界的に展開を図っています。
WATは、視覚障害、上肢障害、認識障害をもった高齢者や障害者の方が、WATプログラムを導入し利用することにより、文字サイズの拡大、ページの拡大、音声によるテキストの読み上げ、文字や行間隔の拡大、テキストと背景色の変更、背景の除去、アニメーションの停止、簡単な片手入力、キーボードを使用したマウス・カーソルのコントロールなどの機能などにより、障害に起因するWEBのアクセシビリティを改善します。本プログラムは、2003年よりUSで展開を開始し、日本では、自立の魂が2004年12月から準備を開始、2005年からの展開を行っています。日本での展開に際しては、上肢障害をもち、かつ視力が低下されている方に限定し、WATを使用許諾します。WATを障害のある方々に無償での使用を許諾し、ご利用いただくことにより、障害者にとってのWebのアクセシビリティを改善していくことを目的としています。
ウェブページの内容を拡大する
より多くの利用者がウェブページの中身を拡大して見たいと感じています。 WAT では様々な方法でこれが可能になります。
- テキストサイズを拡大する。
- バナーテキストを使用する。これはスクリーンの上部に非常に大きく文章の一行が表示されるもの。
- ページを最大限に大きくする。
- 画像を拡大する。
- スクロールバー(画面移動をさせるバー)やファイルメニューなどブラウザー・コントロールの拡大をする。
- マウスポインター(マウスのカーソルを示す印)やビジー表示(砂時計)の拡大をする。
個人のニーズに沿ったテキスト合わせ
多くのウェブページには読みにくいフォントがあります。 WAT では文章をより読み易くする様々な方法を提供します。
- テキストを読み上げる。
- 見易いコントラストにするためにテキストとその背景の色を変える。
- 書体を変える。
- 文字間を広げる。
- 行間を広げる
ウェブページ上の視覚的な問題を軽減する
ウェブページのデザインが複雑すぎて内容を理解するのに利用者の本来の能力を妨げてしまう場合があります。 WAT ではいくつかの方法で読解力を上げる改善をします。
- 背景を消す。
- アニメーション(動画)を消す。
- 画像を表示しない。
- 複数欄のページを単一欄で表示する。
キーボードとマウスの適応
コンピューターのキーボードとマウスの操作はユーザーにとって様々な理由で困難な場合があります。 WAT ではいくつかの方法で両方をより簡単に操作することができます。
- タブ・ナビゲーションとショートカットキーを利用する。
- タイプ時に繰り返し同じキーを押す必要をなくすため自動に適応するキーボード・センシティビティー(感度)を備える。
- より簡単に片手でタイプができる。
- いつキーが押されたか合図する音声キー・クリック機能がある。
- キーボードを使ってマウスのカーソルを操作する。
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